明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

麒麟がくる【感想】第13回 帰蝶のはかりごと

なんかあっさりと土岐頼芸が退場しちゃいました。前回で道三が戦だなんだと煽るから、時間をかけるのだと勝手に思い込んでいたんだな。サブタイトルを見れば、どこに重点がおかれているのかはっきりしてましたね。
  • 十兵衛、面と向かって「殿は嫌い」と言ってしまう。で、嫌いだけど敵対できない理由と、戦をして欲しくない理由を順序良く述べます。十兵衛の性格もあるけど、他人だからそういうふうに冷静に話せるんだよ。家族で親子だったら、そう簡単にはいかない。高政が感情的でダメだって意見を見ると、この人はどん底の親子関係というものの「底」の深さを知らずにいられた人なんだろうと思う。
  • 頼芸は可愛がっていた鷹を殺されて、さっさと美濃を出て行ってしまって、道三は高政を「置き去りにされた忠義者」などと煽る。だが、高政はもうお屋形様のご意向など気にする必要がなくなった、変なことを吹き込まれることもなくなった、とも言えるんじゃないのかな。今後は、自分自身がが本当に良いと思うように行動できるってことよ。
  • しかし、母上から一方的に「父上に謝れ」と泣き付かれるのも切ないな。父と息子の仲がぎくしゃくしている(というか、父は息子も家臣もどこか見下しているし、息子は父に対して諦めと鬱憤のせめぎ合い)のは、第1回から続いている。ということは、たぶんずっと不穏な関係だったのに、母上・深芳野が親子の間を取り成すようなことはなかったのだろう。両親から理解されない息子という部分では、高政と信長は同じ境遇だ。
  • 清々しいほど豪胆な帰蝶さまがかっこいい。結婚してみたら夫と気が合って、自分の居場所が確立されて、さらに大殿が亡くなったことでかなりの自由を手に入れたのだと思う。お金の使いどころをしっかり押さえているところをみると、父上は反面教師ということでしょうか。
  • 娘の婿に悪さはしない……ってどの口が言うんだ、道三よ。

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今作では「織田信長」は帰蝶と信長の二人で作り上げた武将なんですね。信長としては父上も母上も自分を理解してくれなかったけど、奥さんは最高に分かってくれた。やっと生きてる甲斐がある人生になったんじゃないかな。