明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

麒麟がくる【感想】第8回 同盟のゆくえ

 高政といい十兵衛といい、若者がおじさんたちにいいように掻き回されて気の毒だ、と思うばかりでした。

  • 和議について、高政の理屈(今川と織田本家を敵にすることになる)は間違っちゃいないんだから、話し合いや説得のときはきちんと問題を切り分けて、冷静になって頭を使いなされ。若いし、父上に関して頭に血が上ってるから難しいのだろうが。
  • なんだか道三がシミュレーションRPGのプレイヤーに見えてきた。まあ、ゲームなら好きにやればいいんだけど、人間相手ではつらい。
  • 海を手に入れて美濃を豊かにする、その利益をもって道三はどんな国を作りたいのか見えてこない。ただ財を蓄えること自体が目的のよう。一方、第3回で高政はどういう政がしたいのか十兵衛相手に話しています。彼が「父上は金のことばっかり」って愚痴るのは、そういう展望や志の問題もあるのかも。商人の三代目なんだから、単純にお金の重みを理解しないとは思えない。
  • 帰蝶が結婚を承諾したと聞いた時の、道三の珍妙なる喜びの舞。端で見てる分にはおもしろいし可愛いけど、十兵衛くんの立場になったら、たまらんなぁ。こんな神経逆撫でされるようなことされたら、どうやったって殿のことは嫌いになるわな。ちょっとは想像力働かせてポーズだけでもいいから十兵衛を労って、娘の決意にも感謝しといたほうが、家臣の気持ちをつかめるのに。道三は第7回で「また夫を父が暗殺するかもしれない」と考えた娘の気持ちなど思いもよらないんだろう。
  • 土岐頼芸は斎藤家の家中を険悪にできれば、あとはどうでもいいんだな。十兵衛も正面切って道三の野望について演説したのは悪手だったかも。
  • 深芳野が息子に言う「全ては家督が譲られてから」というやつ、美濃の外の状況が許せば、それも良いのでしょうが。
  • 駒ちゃん関係は今回で決着がついたようでよかった。
  • 祝言に新郎が現れなくても、不敵な笑みをうかべる帰蝶さまに気分が救われました。
  • 今川義元太原雪斎の圧力、すごい。f:id:pululux:20200313222625j:plain

竹千代くんが嫌いな父上を描きました。描いてたら父子で衣装の配色が似ていることに気がついた。

松平広忠が圧迫面談を受けている様子を見ているうちに、この今川館のどこかに小野和泉守(@おんな城主直虎)がいて孤独な戦いを続けているのかも、と思ったらたまらなくなりました。その頃、井伊谷ではどうだったかを、つい考えてしまう井戸の底の民……。