明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

麒麟がくる【感想】第10回 ひとりぼっちの若君

サブタイトルは信長、竹千代の二人を指しているんですね。そして二人ともすでに化け物感を漂わせております。

  • 伊呂波太夫がやっと登場しました。諸国に顔が広いのね。
  • 駒ちゃんの命の恩人はやっぱり、明智家の人でした。お約束の展開ですね。
  • 織田信広が今川の人質になってしまったことで、なんだかんだでとばっちり受けた十兵衛くんが、またしてもお使いの旅へ。大変やな。道三には他に信頼できる家臣がおらんのか?
  • 信広と竹千代の人質交換の件。信長は竹千代の駒としての重要さからして引き渡すことはできないと言い、信秀は信広を見殺しにはできないと言う。腹を立てた信長が退出した後で、信秀と土田御前は親の立場で話します。お家を率いるリーダーは人望があるのが良いのか、人格に難ありでも切れ者の方が良いのか。両親も弟もわりと普通の人に思えるけど、嫡男だけ特異な人なんだな。
  • 十兵衛くんは菊丸を道連れに味噌を持って、単純なお使いを装って那古野城へ。鉄砲の産地当てクイズに正解できたので、信長に気に入られた模様。
  • 信長の記憶力すごい、ただ者ではないとよくわかります。だが、お家の内情を初対面の若造にペラペラ喋っちゃうんかい。このドラマの若者は十兵衛といい(1回目で松永さまに殿の悪口)口が軽すぎ。
  • 後継問題は別にしといて、15、6の男の子が心の底では「お母さん、もっと僕のこと見て」と思っていたとしても、プライドが邪魔して、おいそれと口に出せない感情でしょう。しかし、この信長は情緒不安定で他人との距離感とか普通ではなくなっているから、できてしまうのかな。
  • 将棋盤を持って竹千代登場。「干し柿をくれた薬草売りがここにいる」と気が付いたらどうなるんだ、と妙な緊張感が走りました。が、竹千代はスルー。この竹千代なら気が付いていても、即座に状況を読んで敢えて知らないふりをするかも。
  • あのときは、母上に会いたいだけの子供でした。で、十兵衛が、時がくるまで待つべきだ〜みたいなことを言いましたが、何かしら竹千代の心に響くものがあったのでしょうか。信勝との接待将棋をやるにあたっては、多少なりとも影響があったかも。それでも前回、金魚に絡めて自分の境遇を帰蝶に話していた時は、まだ幼さが残っていたように思います。9回と10回の数ヶ月の間に父暗殺の実情を知り、色々と考えたのか。
  • 信長と竹千代の対局シーンは、竹千代の方が大人に見えました。敵を知るために今川に行きたいというのは本心かも。でも今川と通じている父上が殺されても当然だというのは、そのまんま言葉通りに受け取っていいものか迷います。

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信長が十兵衛にむかって母上のことを語りだすところで、すっと表情が消えました。諦めと飢えが入り混じって澱んだような感じ。初めて魚を釣って母上に差し上げた時から、時間も情緒の発達も止まってるんだろう。こんなふうに子供心を残している状況もピュアと呼ぶのなら残酷なことです。