明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

おんな城主直虎/第35回 感想

直虎だけでなく井伊谷みな、どん底から浮上しつつある、だから「蘇りし者たち」なのね。

  • 頭だけでも生きていてよかった。頭によって直虎の生きる気力が蘇った。鶴とおとわは正反対の性格の相棒だったけど、尼小僧さまと頭は似た者同士なんだな。感情表現がはっきりしていて根が陽気で、それゆえに負の感情を溜め込むこともあって孤独な部分もある。
    二人とも自分だけが生き残ってしまうことに辛さを感じているわけだけども、直虎はあまり長生きではない(ついググってしまった)。なので、本当に最後まで生き残る役割をあてがわれたのが龍雲丸なのではないかという気がしてきた。戦国時代の終わりまで生きて、大坂の陣で徳川が勝って日ノ本から戦がなくなったとき、彼は何を思うのだろう〜〜とか、ずぶずぶと妄想沼へ突っ走るのはオタクの性でございます。
  • 自分が徳川に貢いだ武器で気賀の民が虐殺され、魂が抜けたようになっていた方久が、頭が意識を取り戻すとともに現実世界に戻ってきた。坊さんになって薬を作って「ないところにはばら撒き、あるところからはふんだくり、巨万の富を再び」と。銭の犬の心は失われていなかった。あんな時代だし清く正しいだけじゃダメだ。図太く生きるキャラもいてほしい。
  • 隠し里で生きる人々の中に政次は生きていた。お約束の展開だけど、やっぱり顔面から失禁しました。政次追悼ものまね大会のネタは、今川の犬を演じていた時の様子でした。これを不愉快に思う人もいたようですが、孤軍奮闘していた姿を思い出して愛おしんだり労ったり……ってことでしょう。囲碁の師匠として子供達に慕われてたのに、今更かぶっていた仮面の方が本当の政次だと思う井伊谷の人はいないはず。
    で、最後に亥之助が家でのプライベートの政次の真似をして、ちょこっとしんみりして、祐椿尼様は小さい鶴を思い出してほろっとしてみたりしてたらいいな。
  • 鈴木殿の年端もいかぬ息子が討ち死にした父の代わりに戦に駆り出されたり、近藤殿が大ケガ負って刃物を握った直虎に怯えたり、因果は巡る。
  • 今回、明るい未来が見えたのは氏真。桶狭間以来、ばば様からの期待と圧力がどれほどのものだったのかと考えると、こっちも苦しくなってくる。

そんなこんなで、前を向いて生きていこうという感じで終わりそうなところで、荒ぶる信玄が映って、一気に絶望に針が振れました。