明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

麒麟がくる【感想】第19回 信長を暗殺せよ

京に行けばモテモテな十兵衛を狂言回しにして、前回から2年経った世の中を見せるお話でした。

  • 手段を誤った信長、完膚なきまでに母上の愛を失う。家族思いのようでいて、実のところ自分の気持ちにしか関心ないのかも。これで帰蝶とたった二人だけの家族か。でも、いくらなんでもお市の方は出てくるよね。それと、信長の子供達は出てきてほしい。親の愛に飢えていた信長が、自分の子供にどう接するのか気になります。
  • 牢人の十兵衛が何で朝倉の名代になるんだ? またしても都合よすぎじゃないか?と思ったが、藤孝が宜しくお願い〜のお手紙を出していたおかげで、京に知り合い多そう、と思われたからかな。でも正使じゃなく、献上品の鷹が入った箱を担ぐ役のほうがしっくりくるかも。
  • 高政改め義龍、良いところを映像にしてもらえないままナレ死でした。2年前に比べたら憑き物が落ちたようで、余裕があり貫禄がついて大人になったなぁ。十兵衛は牢人暮らしということもあって、まだ青年時代真っ最中って感じ。しかし大きな国を作って美濃を豊かにするのが最終目標だとするなら、十兵衛は義龍に仕えて尾張との外交を頑張る方が、戦もなくなって麒麟が来そうだよ、と思った。三河には菊丸というつてもあるしさ、何かできるんじゃない? って、まあ、それでは史実に合わないですが。
  • 結局、道三がなぜ高政に対してあそこまで冷酷で、大事な話をしてやることもしなかったのか、わからずじまいでした。高政にしてみれば初回の時点からすでに父親から見下されていて、その状況について時折、斜に構えるところを見せつつも、なんとかこらえていました。空気が変わったのは土岐頼芸が高政にいらぬことを吹き込んだ時から。そんなこんなで、二十歳そこそこの青年が反発しない方がおかしい。というか何も反発できないようなら、覇気がなさすぎで、そんなヤツには後継なんて無理な気がしないでもない。
    高政=拗らせ、みたいな話もあるけど、拗らせてるのは道三の方じゃないかな。なぜ道三がそうなったのか、美濃国の来し方などを絡めてちょっとでも描いてくれたら、物語と道三の人物の厚みが増したと思うんですが。ある意味とんでもない毒親で毒殿なのに、なぜか美しく退場してしまってモヤモヤが残ってしまった。
  • 義龍との別れの会話を、十兵衛は物語終盤で思い返したりするといいなぁ。どんな感情を伴って思うのかはわからないけど。
  • 信長、公方さまに謁見して「こいつは使えねぇ……」と思ったに違いない。だが十兵衛は公方さま推しだし、秩序を大事にする人なわけで、すでに現時点で価値観が合ってないのね。

次回は竹千代改め元康が出陣です。ならば、直盛パパは討死で、元康はもう瀬名姫と結婚してるのよね、というところに思いがとんでしまうのは井戸の底の民の性でございましょう。このドラマでの瀬名はどんなキャラになるんでしょうか。瀬名というか築山殿というと悪役だけど、「おんな城主直虎」で最期に石川数正から「御方様ほど美しい方は知らない」と言われ「何を今更」と答えて不敵に微笑むところがかっこよすぎて、私にとっては肝の据わった不器用な美姫のイメージで上書きされております。信長があれだけ斬新かつ説得力のあるキャラになってることだし、瀬名もちょっと期待したい、って、そもそも出番があるのかわからないですけど。