明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

麒麟がくる 第2回 道三の罠

2回目でこんな手の込んだ戦シーンがあるとは。このクオリティ(というか費用のかけ方)で最終回までいけるのか、下世話なことが心配になります。

  • 光秀、おつかいをやり遂げて地元に戻ってきて、しかしおうちに帰り着く前に戦が始まってしまうのね。出張から帰ったその日に、定時退勤できず徹夜残業か……。
  • 道三から旅の費用、半金返せと言われ、さらに大将首二つでちゃらにしてやってもいいとか、すでに上司に苦労する暗示が漂っております。
  • 今回の市街戦、いきなり落とし穴があったりして、「真田丸」の上田城の戦い その1と真田昌幸が思い出されます。
  • 昌幸は策士だけど、わからないことは「わからん!」とか、身内にはけっこう正直に言っちゃうし、適度にお茶目でかわいげがあった。道三はとことんえげつない。嫡男にも家臣にもなんにも言わない。成り上がり者の余裕のなさをふと感じた。
  • 「侍大将、侍大将」と連呼しながら戦場を駆け回る十兵衛くんに、ちょっと笑ったが、借金のカタに首二つとは、どこかの誰かの家族の命をお金に変えるということ。
  • 籠城とみせかけて打って出るのは、道三の罠としては前座でした。本当の罠は娘婿の土岐頼純を毒殺する方。諱呼び捨て(「様」をおまけのようにくっつけたけど)の蝮の恫喝。尋常ではない。頼純はこの先どうなるか、ある程度、察したんじゃないかな。何かあるかもしれないと思いながら、でも道三にこれ以上侮られるのは我慢ならんと、出されたお茶を感情に任せて一気飲み、ってな風に感じました。

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もっくんが歌って踊ってたころを記憶している世代としては、時の流れを思わずにはいられませんでした。すごい俳優さんになったなぁ。

そして、ラノベではなくジュブナイル少女小説が青春だった世代なので、麒麟といえば「十二国記」であります。第2回を見て、この大河に十二国システムを当てはめると光秀自身が麒麟であるような気がしてきました。外の世界を見て麒麟の本性に目覚め、王気を求めて諸国をめぐり、主を変え、民のため主のためと思い定めて汚れ仕事をこなすうち、血の穢れにあてられて道を失ってしまう、みたいな感じ。そして王を見つけられず亡くなるという、十二国システムの麒麟としてはありえない不幸なパターンになってしまいますが。