明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

のぼうの城【読了】

いまだに脳内が「おんな城主 直虎」に支配されているので、戦国時代の話に手が伸びました。

史実ベースだけど、あまり難しいことは考えず、勢いで読みきってしまう本。つまらないことがあった時、ぱーっと気晴らししたい時に読み返したくなりそうです。負け戦の話だけど、百姓衆がしたたかなところが、後味すっきり感を増しています。特に小生意気な若侍の酒巻靱負の下についた、じいさまだけの足軽集団が好きだな。

小説を読む時は頭に映像が浮かぶクチなのですが、映画も見ていなかったので、豊臣方の顔はだいたい「真田丸」の方々です。豊臣方のイメージが鮮明なのに忍城の人々はのっぺらぼう状態で、どうも落ち着かず、映画のキャストを確認。のぼう様は小説では縦横に大きくてぼんやりした田舎のおっさんのように描かれていますが、演じたのは野村萬斎ということで、全然タイプが違います。ひょろりと大きくて浮世離れした感じの方がのぼう様の人柄と合ってるなぁ、ということで小説の描写は横に置いて、脳内映像は野村萬斎で統一。
でも、のぼう様ってぼんやりしているようで、本当はよく物を見ている人です。情と冷徹さの両方を備えていて、状況が違っていたら良い城主になっただろうに。和睦交渉はお見事でした。

真田丸」で源次郎や大野修理にのぼう様のような器の大きさがあれば、結果は変わったかも……って、あの世界には茶々様という死神が憑いてたから無理か……

地の文でところどころ地名や距離の単位が現代仕様なのが、現実に引き戻されてしまうようで残念です。小学生の時は埼玉県民だったので、なんか社会科副読本を読んでる気分。