明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

おんな城主直虎/第42回 感想

いいことも悪いことも、盛りだくさん。

  • 虎松は今ごろ、すねておるやもしれんぞ、って言いながら、すねているのは和尚様。万が一あのまま、万千代の言うとおりにしてたら材木泥棒問題が再燃したわけだが、和尚様はどこまで理解しているのやら。直虎はもう、まともに取り合う気はないっぽい。
    なんだか、可愛い孫に好かれたい一心で言いなりになっちゃう無責任じいさんみたいだ。小坊主の虎松に「あれはもう殿ではないから言うことを聞かなくてもいい」と言って白い碁石を渡した時も、泣きじゃくる孫に「ママには内緒だよ」とこってり甘いお菓子を差し出す感覚と似たようなもんだったんじゃないかという気がしてきた。井伊家再興の思いが、全くなかったとは言わないけど。
  • 先輩小姓から嫌味とともに武具の補修を押し付けられた時、「殺す」は言わないの?って、若にストレートに尋ねちゃう万福の、大ざっぱさがいいな。その昔「愛です」と臆面もなく答えた玄蕃が思い出される。
  • 本多忠勝山県昌景の首に短刀を当てたところで、一瞬画面が止まる。とうとう5つ目の生首が?! と思ったら忠勝が掲げたのは兜だった。
  • ノブ曰く「万千代様は顔だけはお可愛らしい」顔が良いということが、親子二代にわたって正当に評価されず、笑えるネタ扱いになってしまう大河。
    ノブの表情が瞬時に変化するところにゾクゾクした。本多佐渡になったところを早く見たい。
  • 居間で見てたので「新しい褌を持て!」のあたりから、本格的にいたたまれなさ全開だったが、効果音がギャグテイストだったので、なんとか乗り切れた。生首より褌アップの方が放送上のハードル低いのね。
  • 之の字と六左が信長から褒美を受ける。そのこと自体は嬉しい。
    が、あの褒美の茶碗が不穏。徳川信康から受け取りを辞退されて、信長としては気分の悪い品になってしまった。目の前からいまいましい信康のイメージと茶碗を手っ取り早く消すために、名もなき田舎の武士に与えたのではないか。木を切って柵をつくったことに対する褒美としては、いくらなんでも城一個と等価値の茶碗は重すぎる気がした。ゲームの画面から抜け出したような、魔王信長の心中のドロドロ具合を想像すると、とても怖い。
  • 今週の万千代は、確かに健気な15歳だった。家康は最高の上司だったし人を使うのがこれだけ上手ければ、徳川が天下を取るのも納得。だけどここからさらに年取って、もののけ度やタヌキ度が増していくと、真田丸片桐且元を篭絡したような大御所様になってしまうのか。白いままでは天下取りはできないってことか。

他にも、信康があまりに好青年で今後が余計に辛い。茶碗の扱いが雑な殿がかわいい。その兄弟子二人も茶碗に興味津々なところもかわいい。等々、上げればきりがないです。ひとまず今回で万千代の将来が見えてきたので、残るは瀬名様の行く末がどんなふうに描かれるのかが気になるところです。直虎のたった一人の女子の友達、直親や政次とはまた違った思いがあるのではないかと。