明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

おんな城主直虎/第43回 感想

このドラマの中では第1回から、たくさんの人が恨みや無念を抱えて亡くなっていきましたが、43回で初めて穏やかに見送ったような気がします。

  • 薬は井伊の物だけど、材木は他家の物だってことを未だに理解できない万千代。この点だけ見ると、本当に賢いのか不安になってくる。一度頭に血が上ってしまうと、どうしても客観的な視点を取り戻すことはできないのか。それが井伊家のDNAといえばそうなんだけど。
  • 甚兵衛さんがお空に行ってしまった。寂しくなっちゃうけど悲しくはない。次世代に引き継ぐ物を残して、老いた人が自然の摂理に従ってこの世を去る。第1回の直満の首桶から始まって、とうとう井伊谷は、そういう安らかな死が描かれるところまで来たのだなあ。
  • 相変わらず近藤殿をうまいこと転がすおとわ様。
    経験を重ねた直虎の人あしらいが上手いっていうのもあるけど、近藤殿にしても、領民からの圧倒的支持があった直虎を無下にはできないよね。それと、第35回でケガの治療に現れた直虎を敵討ちにやってきたと誤認したくらいなので、「さすがにやり過ぎてしまった」という後ろめたい気持ちはずっと持っていたはず。
    口ではいろいろ言いながら、適当なところで折れて見せて、計算ずくってことでもないけど、円満な領地運営のためにも上手く付き合っていこうという気はあるんではないだろうか。近藤殿も昔から比べたら、人付き合い能力が上がってる。高瀬のおかげもあるでしょうか。
    材木やら仏像盗難事件やら、思い返すと直虎も近藤殿も昔は直情的で似たり寄ったりの残念な人だった。元をただせば井伊が悪かったとはいえ、仏像の件は近藤殿が盗難をでっち上げるという下衆なやり口を選んでしまった。だから逆襲されてしまうわけで。
  • 報いがなければ人は働かない。家康はそこを大事にしてるが、今川は粛清によって締め付け働かせようとした。デスノート寿桂尼が強大なラスボスに見えたものだけど、実はあの時点が限界だった。振り返ると、武家としての今川が滅びるのは必然だったのね。

直虎が「甚兵衛の松」連呼したおかげで、すっかり回顧モードになっております。