明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

おんな城主直虎/第39回 感想

虎松、濃いキャラクターで遠くから見てるぶんには面白いけど、身近にいたら面倒くさいクソガキです。両親と井伊家の人々の良いところより、ダメなところのほうを多く受け継いでいるんじゃないでしょうか。これまでとこれから先の亥之助の苦労を思うと、泣けてきます。でも先代までとは違って、言いたいことは遠慮なく言える関係だからでしょう、楽しく見ていられます。先週までとは全く別のドラマを見ているよう。

  • 直虎が裏で采配ふるって井伊谷が豊かになってるのに、家名はいらないというのが歯がゆいということか、虎松。家がなくなった悲運の少年には違いないけど、本当の修羅場を味わっていなくて、ここまで村が復活した道程も知らないから、強気な態度に出られるのだろう。でも怖いもの知らずは若さの特権でもある。
  • だが、根回しや手順をすっ飛ばし小賢しさ全開で、松下の父上の情を踏みにじった。本人に悪気はなさそうだし、あれだけの言いたい放題と強烈な自己肯定感からして、義理の父の元で十分可愛がられて(さらに言うなら甘やかされて)育った感じなのに。検地のときの直親と、次郎を刺す気満々だったしのが合わさると、こうなるのか。
    どこかで父上に謝罪する機会はあるのでしょうか。そういう場面がないと、虎松改め万千代の出世物語を楽しめないかもしれない。でも直親もしのもレベルアップして行ったのだから、虎松にも期待する。
  • 虎松が前向きなようでいて、実は亡くなった人々の方ばかりに気持ちが向いていることにも、ちょっとモヤモヤしている。武家の若君の価値観としては当たり前だとしても、これまでのストーリーで現実と向き合って生きる清々しさを見せられてきたから、すっきりしないのかも。
    直虎と腹を割って話し合う機会もあったらいいな。
    六左を説得(というか脅迫)するときに、父上やじじ様、但馬のことを持ち出していたが、現状では政次が死を選んだ理由も半分しか理解していない気がする。最後の囲碁の場面で、政次が好きだと言った殿の有り様を知ってほしい。
  • 小賢しいクソガキに対する小狡い大人たちは、家康と徳川の家臣団に和尚様。自分たちが言ったのではなく、虎松が言ったという形に持って行く徳川。虎松の浅略にこれ幸いと乗っかって、手紙の運び屋をやった和尚様も同類だ。松下がどう思うか、和尚様が想像できないはずがない。信玄との会話で自分のことを生臭坊主と評していたけど、相当な生臭坊主でした。
    この件で可哀想なのは、傅役の六左。今後、六左の立場は大丈夫なのか。
  • 最後の癇癪起こして大騒ぎのシーンでは、「腐れ子狸ぶっ殺す」などのセリフで大笑いしたが、BGMで「竜宮小僧のうた」が流れてしんみりしてしまった。勝手に暴走した挙句ズルい大人にやり込められたのは自業自得だけど、それでも15歳なりの悔しい切ない気持ちをBGMによってありありと突きつけられた。笑ってすまなかった。
  • 最近、我が道を行ってる氏真ぼっちゃまに好感度アップ中です。