明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

おんな城主直虎/第37回 感想

軽いノリで始まったけど、どこで落とされるのか、突然惨劇モードに切り替わったらどうしよう、などとドキドキしながら見ておりました。
サブタイトル「武田が来て火を放つ」ではなくて「武田が来るから火を放つ」でした。やられました。しばらくぶりに前向きな感じで見終えました。

  • やきもち焼いて長いもで殴って、おとわと龍雲丸のドタバタ夫婦げんか。やきもち焼かれてちょっと嬉しそうな龍雲丸がいい。次郎法師が子役から変わったばかりの頃、お百姓の夫婦の仲裁をやってたシーンを思い出した。そうか、普通の夫婦のようにけんかして笑いあって、つましく楽しく暮らしているんだな、とほっこりした。
  • と思ったら、中村屋の招きで堺へ行くかどうかの話の流れから「ここで百姓しても但馬様が生き返るわけじゃない」という龍雲丸の発言で、彼らに時薬は効いていないのだとわかった。庭先に文字の刻まれていない丸くて大きめの石があり、花が供えられている。これでは直虎は如何あっても井伊谷を離れるとは考えられないし、引きこもって炭焼きしてる生活に龍雲丸が満足できるはずもない。
  • 前回あんな物言いをしたのに、それでも之の字の心の殿は直虎だけだった。直虎も鎧を着て近藤殿の前に現れ、武田に下るよう直談判をする場面は凛々しかった。井伊家主従はやっぱり良い。之の字が近藤殿に仕える理由が「井伊の民を守るため」。あの世で政次が聞いたら苦笑いしつつも喜んでいそう。
  • 今回、一番グサッときたのは高瀬だった。武田の間者というか、立派なスリーパー・エージェントじゃないか。井伊谷にやってきたのは十二、三歳の頃でしょうか。そんな子供が何年も一人きりで城主暗殺という任務を胸に秘め、周囲の人にはこれっぽっちも感付かれずに生きてきたなんて……。放心して、焼け落ちようとする居館の奥へ進む高瀬の表情がとても辛い。いっそ近藤殿が非道な城主だったら、苦しまずに済んだかもしれない。
    武田はどうやって高瀬を工作員に仕立てたのだろう。潜入を成功させるためには、経歴の詐称は少ない方が良さそうな気がする。高瀬が井伊の姫だったから、それを利用して武田はこんな工作を仕掛けたんじゃないだろうか。あとはどんなふうに高瀬がその気になるよう、話を持っていくのか。両親とも亡くしてしまった子供をたぶらかして利用しようとしてる、とか考えると、やっぱり今年の武田は胸糞悪い。