明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

おんな城主直虎/第36回 感想

井伊家が終わりましたが、単に直虎が不甲斐ないということではなく、究極の選択でご先祖より生きている人を優先した、と受け取りました。それはある意味、現代的な感覚かもしれないけど、僧侶で竜宮小僧という属性からすると違和感ないです。

  • 乱世において兵力もないくせに、家を残すことに執着する方が現実的じゃない。生前の政次には「卑怯者と言われても戦わない道を選ぶ」と言われ、龍雲丸には「どっちでもいいってことじゃん」と言われる。でも、お家のために先に逝った人達を思うと、なかなか「やーめた」とは言い出せないから苦しい。精神的に大ダメージ食らってるから、自信を持って思い切った決断ができない。で、和尚様に引導渡してもらって、やっと決められた。と、こんな感じで解釈した。
  • 決めた後は、寂しさや悔しさは感じられるものの、冷静で落ち着いていた。
  • 政次処刑は井伊家存続のためでもあるが、井伊谷を戦場にしないためでもあった。田畑を荒らされなくて領民も無事だった(今のところは)から、井伊家が潰れても政次の遺志が台無しにされたわけじゃない。
  • 和尚様、井伊家終了が納得できずに号泣する虎松を見てたら心が揺れ動いた? 松下へ行かせる方便としてちょっと入れ知恵してみたが、もしかして少しは期待してもいいかな的な……。
  • 女子は過去を振り返らないというなつ。政次と秘密の夫婦約束はあったけど、それ以前に彼女は亥之助の母上なのだ。元服前の息子がいるのに、思い出に浸って生きていけるはずがない。息子をちゃんとした武士にしてやりたいと思うなら、松下へ行くよね。第33回の隠し里でのやり取りからしても、亥之助の殿は虎松なんだし。亥之助が立派に成人すれば、小野家再興の目もあるじゃないか。
  • 直虎と龍雲丸が一緒になる、という展開は意外だった。が、何もかも失った者同士で新しく始めるというのは良いかも。このままいつまでも小さな幸せを大切にして暮らしました、で終わらせて欲しいところだが、やっぱり今回も最後にハイテンションの信玄の投入で、気分はどん底に。
    次回で井伊谷が蹂躙されるのを見て、今度こそ和尚様の思惑とか関係なく、直虎が純粋に己の意思で直虎に戻るんじゃないか、と妄想してみる。

死によった〜死によった〜と浮かれている髭ダルマに「だが次はおまいの番だ」とツッコミを入れて、心を落ち着かせるのでした。