明日の雲ゆき

最近は大河ドラマの感想ばかりです。

おんな城主直虎/第7回 感想

地味に心が削られる回でした。表面的には鶴の機転のおかげで井伊谷は大事には至りませんでしたが、鶴の心にプチっプチっと亀裂が入っていく音が聞こえます。

  • 亀、見下げ果てた男だ。まるでブラック企業の管理職のよう。今川の監査役に隠し帳簿を見せても見せなくても、問題が起きた場合は全部小野家が悪者になるという筋書き。内輪でマウンティングしてる場合じゃないのに。直盛父上と千賀母上にとって今の亀は息子同然の存在ですが、息子の笑顔の裏の腹黒さを両親が知ることはあるのだろうか。
  • 隠し里の場面、鶴は検地奉行に洗いざらいぶちまけるつもりだったのか、小野家が泥を被るつもりだったのか判断つきかねる。隠し里が台帳に載ってないことを岩松さんに突っ込まれ、「自分はよく知らない」と子供の言い訳で責任を鶴になすりつけた亀は哀れに思えた。言い逃れの口実くらい考えとけ。
  • 南朝の皇子の話で矛先を納め、亡くした奥方にずっとラブラブな岩松さんは人情家だな。
  • 今回の次郎は所々できり@真田丸と重なって見えた。
  • 鶴に対しておとわの名を出せば、無理が通ると思ってる亀。次郎法師には「竜宮小僧ありがとう」とかへろっと言っちゃって、こちらも相手が拒否できない形にしてしまう。源次郎はきりに相当な無茶も頼んだけど、ここまで卑怯な真似はしなかったので(ダメ男っぷりを晒したことはあったが)まだマシだったのかも。
    とすると、しのさん=春ちゃんか。しのさんも辛い立場だ。源次郎は春に強い気持ちは持っていなかったけれど、大事にしてたし情があるのは良くわかった。亀は女性の扱いも源次郎以下と考えると、相当ひどい。
  • 鶴の弟・玄蕃くん、素直ないい子だが、あまりに素直過ぎて辛い。ちょっとだけでいいから人の心の裏を読むことを覚えないと、お兄ちゃんは弟によってさらに心が削られてしまうのよ。
  • 次郎法師も友達なら、ちょっとは鶴のことも思いやって、信じて。
    還俗や偽装自殺を拒否したから、亀に対して引け目があるのか。総領娘なのに、亀に井伊谷の将来を全部ぶん投げてしまったから、力にならなければいけないという義務感が強くて他に注意がいかないのか。
  • とはいえ、鶴も正しく和泉守の血を引いていて、斜に構えた言い方するから。
  • ラストシーンの山あいの田んぼに響く読経の声。のどかな風景と美しい声で癒しの映像だった。が、この後、野辺送りのBGMとして次郎法師のお経が何度も流れたりする?と思ったら、美しい分よけいにどどーんと重い気持ちになった。

亀の本音とか歪んだ理由とか、描かれる回はあるのでしょうか。どんな事情があろうと領主としても、人としても、あのやり口はいただけませんが。

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眉の動きからいろんな感情が読み取れる鶴。
キャラの心理を妄想して楽しむ大河ドラマ、とても新鮮です。